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上田会計週報『非課税のイメージと実態』2017.06.26

医師会等の損税問題

平成28年度の税制改正大綱の検討課題の中で、医師会等の損税問題につき、「平成29年度の税制改正に際し、総合的に検討し、結論を得る」との記載があったことから、平成29年度での何らかの改正がありそうでしたが、消費税10%になるまで先送りになりました。

医師会のほか、(社)日本損害保険協会、(社)日本自動車会議所も、消費税非課税に伴う損税問題に声を上げています。

医療費をゼロ税率とした場合の試算額

平成26年3月に提出された「医療費にかかる消費税のあり方に関する質問主意書」に対する答弁書によると、医療費を課税の対象とし、ゼロ税率を適用した場合の消費税還付額は、1.5兆円程度と試算されています。医療機関だけでも、かなりの損税額が発生していることは確かです。

医療消費税訴訟

数年来の要望にもかかわらず、改善が認められないので、兵庫県病院協会の4病院が平成22年、消費税非課税制度の不公平問題の是正訴訟を起こしました。判決では、消費税分は診療報酬で適切に転嫁がはかられており、それ以上の制度問題は立法府で判断すべきものとして請求棄却されました。

そもそもは医師会の見識不足の判断ミス

消費税の損税問題を一番切実に訴え続けているのは日本医師会ですが、そもそも消費税導入時に社会保険診療を非課税にするよう強く要望したのも日本医師会です。

導入時に税務当局は、非課税にすると設備投資をした分の前段階控除ができなくなるから困りますよ、ということを医師会にさんざん説明したのに、非課税にしてほしいとの意向が強く、非課税になってしまった、というのが経緯の様なのです。

非課税の原理とイメージと実態

消費税法の原理としては、消費税相当額を消費者の負担する価格に当然にも転嫁されているもの、と解します。

しかし、非課税というと、消費者側のイメージとしては、消費税と縁のない取引で、消費税分価格が低くなっているはず、と思っていて、知らず知らずのうちに消費税を負担し、他方、医療関係者を筆頭に非課税事業者はみな、転嫁できない消費税額を負担させられて困っています。

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